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2008年2月17日 (日)

物乞い

天気予報とは裏腹にさっくり晴れた。ガラス越しの柔らかな日差しを浴びてうたた寝しているサクラのおなかに顔をうずめてみたら、太陽のいい匂いがした。猫のいない人は、晴れた日に干した洗濯物の匂いを思い浮かべてね。

Dsc05505去年『神の棄てた裸体』を読んで、同じ人が書いた『物乞う仏陀』も読みたいと思って手に入れてみた。私の数少ない旅経験の中だけでも、アジアの物乞いや物乞いに近しい物売りに囲まれたり遭遇したりっていうことはもちろんある。シンガポールのウェットマーケットでティッシュらしきものを売りつけようとしているおばあさん、スリランカでとうとうと病状を述べていくばくかのお金をもらおうとしていたおじいさん、宝くじを売っているおじさん、マレーシアの観光地で車椅子に乗っかってどう見てもゴミにしか見えないおみやげ物を並べているおじさん・・etc。普通の日本人にせびるのはともかく、私みたいなのはどう見られてるんだろうと、やっぱりせびられちゃう?え・・そうなの??とちょっと微妙な空気も感じてきた。意識の底で、クロスカルチャーしたいってわけでもないけど、そういう人たちの背景にあるものを知りたいなといつも思っていた。『物乞う仏陀』はアジアの障害者の物乞いや物乞いとはいかなくても、そういう人たちがどういう生活をしているのかを実際に見て歩いてきた人が切り取って見せてくれている。職業としての物乞いを説いてくれている。ちょっとだけ背後に触れられたような気がする。(正直、ムンバイのレンタチャイルド、ストリートチルドレン、長じて物乞いorマフィアの話はきつい。自然発生的なものでないだけに。)そして、きっと私がのほほんと生きていられるのはたまたま日本で生まれたからなんだろうとも思う。ただ『累犯障害者』で日本の現状を読んだあとでは、アジアの実態と日本のそれで根底にあるものって全然違わないのも確かだと思う。・・先進国って言われてる日本でだって汚物垂れ流しの人たちが刑務所や精神病院の閉鎖病棟に追いやられているんだから。もちろん医療レベルの低い国だったら状況はもっと悲惨になるけどね。

物乞いをなくすにはどうしたらいいかとか、路上で人が死なないためには何をするべきか。これって普遍の問題で、構造上ほぐしていくのは無理なんじゃないかと思う。でもまずは知ること、知ったことを見て見ぬふりをするんじゃなく、じっくり奥にあるものを探ることは大事よね。私が自分の足でもって探りにいくのはきついだけに、こうやって歩いてきてくれる人がいることに感謝。(ボツになってる原稿も読んでみたい。。)宗教がかった愛を唱えたり、驕ったりきれいごとだけで情報を得たりしていない分、読んでて人間らしいノンフィクションでした。

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