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2009年2月 2日 (月)

myth

Dsc09270


You owe me a date.

Huh!!


桐野 夏生『女神記』

新・世界の神話シリーズと銘打った企画物で、32カ国参加でそれぞれの国にある神話をベースにそれぞれの国の流行りの作家が一作品ずつ書き下ろしていくというのがあるのだけれど、日本は古事記をベースに桐野夏生が書いていて、サスペンスやハードボイルドのイメージが強い人がイザナキとかイザナミを書いたらどんな風になるのだろうと興味津々だった。舞台が沖縄、それもあぁこれは久高島を思いっきりモチーフにしているなというのがすぐにわかって、描かれている風景や島の掟など、ここ石垣とも通じるものがとっても多くて入り込みやすかった。古事記をそのまま練り直すというよりは、新しく物語を作って、とある巫女の経験したこととイザナキ・イザナミの恋愛を重ね合わせながら、それを巫女の口から語るといったプロットで、古事記のおさらいと思うとちょっと物足りないけれど、女の人の嫉妬や情念、恨みっていうテーマを神話から拾い出してイザナキ・イザナミの恋愛を見るのは面白かった。(私の読書感想文は「おもしろかった」で全部済ませます)どこまでもオスの脳満開のイザナキと想って想って想い続けるがゆえに恐ろしいメスになっているイザナミ。首尾一貫して「対比」、たとえば陰と陽、日と夜、海と陸、太陽と月、生と死、そして男と女が鮮やかに描かれていて、この世はすべて二面性があるのよねと改めて想う。

女の嫉妬心と恨みは怖いのよ~。ふふふ。

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