2月から此の方読んだりググったりしていた事件や本のメモ。
東電OL殺人事件を基にした桐野夏生の小説と佐野真一のノンフィクション。
へえ、と思ったとこ。
渋谷の円山町のホテル街が、岐阜の御母衣ダム建設によって沈んだ村の人が、ダムを建設した東電の補償金によってスタート。W辺さんはここ界隈で立ちんぼしていて神泉駅のすぐ前のアパートで殺害される。グーグルのストリートビュー見れば今も現場のアパートやシゴトしていた駐車場が見える。
W辺さんの東電入社時、同期は総勢201人うち四大卒女子が9人、そして彼女以外は寿退社をして管理職についたのは彼女のみ。今生きていれば50代。その年代で東電で上級職にいる女性は・・いなそう。
ルポはW辺さんの近しい人の話がほとんどなくて、キャラクターが見えにくい。ただ、ファザコンなのは確からしい。拒食症もひどかったんだろう。コンビニおでんの買い方はなかなかに刹那的。W辺さんの父親も東電の社員で、戦後日本の電力需要が高まる中、首都にどうやって大量の電力を送るかに携わっていたらしい。
ルポでは逮捕されたネパール人Gさんの冤罪の可能性を追求している。外国人というだけである種見せしめにされたというなら恐ろしい。求刑のときの裁判官が居眠りこくシーンが本当ならなんともはや・・。
(ルポなんだけど、1チャプターごとに佐野さんが挟む大げさな表現がちょっとうるさい。)
『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』
Albuquerque Tribune紙の調査で明らかになった人体実験。プルトニウムを注射で人の体に勝手に入れてどう代謝され影響していくのかという実験を、被験者が死んでから墓場を掘り返してまで長期にわたってやっていたらしい。科学者と医者が一緒になって行ったのだけど、その科学者たちは原子力の研究の第一人者たち。
本はこれに広瀬隆さんの解説もある。
「プルトニウムを摂取しても直ちに影響はない。」っていう文面見ると、ああもう、今盛んに流れてるせりふと一緒やんと歯噛みしたくなる。
日本に原爆(長崎はプルトニウム爆弾か)を落としたのも日本なら欧州と違って同胞を巻き込む率は低い。ちょうどいい実験場だという扱い。爆発落としてすぐに被爆の影響を評価するため、現地調査入ってる。
核分裂の発見、レントゲン発見、臨界実験の成功、メキシコ州での原爆実験、日本への投下、と年表を本の発行の94年までたどってくとため息でる。
核の平和利用って・・。IAEAも設立経緯見るとごまかし用に見えてくる。
年表の最後は94年のもんじゅ臨界達成で終わっている。プルサーマルの危険性も文中にたっぷり。
反核だった日本に原発入れるために動いた読売の人たち、政治家、熱狂しちゃった庶民。今の事故も歴史とあわせてみると違って見えてくる。米の某財団の人たちには逆らえません。
栃木リンチ殺人事件。
企業の面子と警察の怠慢と天下り。こわい。
この作者、死んじゃったよね・・・。
たまには普通の小説も読もう。
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